ナスは、適切に手入れをすることで、長期間にわたって収穫の喜びを得ることができる野菜です。
このため、自宅の菜園での栽培は、成功させたいと多くの人が思っています。
しかし、ナスは病気にかかりやすい性質を持っているため、家庭菜園での栽培には注意が必要です。
一般的に、病気を防ぐためには、「接ぎ木された苗木」、つまりグラフト苗の使用が推奨されます。
多くの園芸愛好家が知っているように、グラフト苗を使うことにより、連作障害の影響を受けにくくなり、さらに病気に対する抵抗力も強くなります。
加えて、害虫や病気のリスクを低減できるため、無農薬や減農薬で栽培を行う家庭菜園には理想的です。
接木されたナス苗の特徴と取り扱い
本記事では、夏の間にスーパーでよく見かける人気のナス品種「千両二号」について詳しく解説します。
この品種は広範囲にわたって栽培されているため、一般的によく知られています。
接木されたナスの苗は、しばしば固定のためのクリップが装着されています。
これらのクリップは、苗木を安定させるために重要な役割を果たすため、無理に取り外さないことが大切です。
クリップを取り外すと、接木部分が不安定になり、最悪の場合、苗木が折れたり、枯れたりするリスクがあります。
ナス栽培のための土壌準備のポイント
ナスは栄養豊富な土壌を好む野菜で、その根は深く伸びる性質があります。
そのため、植える場所を十分に掘り起こし、化成肥料と天然の有機リン酸源であるバッドグアノを元肥として加えることが肝要です。
畝を作る際には、その両側に同じく化成肥料とバッドグアノを撒き、土に混ぜ込んでおくことが推奨されます。
リン酸肥料は根からの吸収が難しいため、後で追加する肥料では十分に補給することが困難です。
したがって、土作りの段階でしっかりと混入させることが重要です。
また、ナスは寒さに敏感なので、春になっても畑にマルチを敷くことが必要です。
このマルチが土壌準備の最終段階となります。
ナスの苗木植え方ガイド
ナスの苗木を植える最適な時期は、最低気温が10度以上になる頃です。
例えば、関東地方では4月後半が理想的です。
4月の早い時期など、まだ寒さが残る時期に植えるのは避けましょう。
寒冷な条件下では、苗の生育に支障をきたし、葉が枯れる原因になり得ます。
もし早く苗を購入した場合は、室内やビニール袋で暖かくなるまで保管してください。
植える前には、苗を水につけて充分に水分を吸わせることが大切です。
これを怠ると、植えた後に水不足で苗が枯れることがあります。
次に、ポットより大きめの穴を掘り、苗がちょうど収まるようにします。
苗が水を吸ったら、植え付けを行い、周りの土で固定します。
最後に、十分に水やりをして、植え付け作業は終了です。
室内や温室で苗を買った場合は、急な温度変化を避けるため、最初の1~2週間は寒冷紗で覆うことをお勧めします。
気温が安定し、暖かくなったら寒冷紗を取り除きます。
(屋外で販売されている苗の場合、この手順は不要です。)
ナス栽培:初めての実の収穫と新芽の管理
5月に入ると、ナスの成長が促進され、最初の蕾が現れます。
ナスの初花が咲き始めると、さまざまなケアが必要になります。
ナスの花の開花期
5月になると、ナスは蕾をつけ始め、鮮やかな紫色の花を咲かせます。
風によって受粉が行われるため、特別な手入れは不要です。
ナスの新芽剪定
ナスがうまく受粉し、最初の実が見られたら、新芽剪定を始めます。
新芽剪定とは、わき芽から伸びる新しい芽を取り除く作業です。
成長が速いナスは、新しい枝がどんどん出てきますが、放置すると枝や葉に栄養が集中し、花や実の発育に影響します。
そのため、不要な新芽は小さいうちに摘み取ることが重要です。
ナスの仕立て方に応じた新芽の取り方
ナスの仕立て方によって新芽の取り方が異なります。
2本立てが一般的で手軽ですが、多くの実を望む場合は3本立てに挑戦しても良いでしょう。
2本立てでは、「主枝」と「一番果直下の新芽」を伸ばします。
3本立ての場合、一番果の下の新芽も育てます。
これらの枝は成長に合わせて剪定しますが、夏の間は主枝と最初の新芽の剪定は行いません。
家庭菜園で育てる場合は、枝の成長方向に注意しましょう。
ナスの新芽剪定方法
一番果が確認できたら、新芽の剪定を開始します。
2本立ての場合、一番果直下の新芽を残し、他の新芽は摘み取ります。
一番果が成長し始めたら追肥を行います。
ナスは肥料を豊富に必要とするため、最初の追肥から2週間ごとに続けます。
追肥の量は畝の横に一握り程度で十分です。
追肥後、一番果が約10cmになったら早めに収穫します。
これにより、株に栄養が行き渡り、後の花や実のつきを良くします。
うまく育つと、5月の終わりには次々と花が咲き、楽しい収穫が待っています。
まとめ:ナスの苗の植え方とわき芽かき
今回はナスの苗の植え方とわき芽かきについて解説しました。
仕立ての本数の選び方は、手間を減らすなら2本仕立て、収穫量を増やしたいなら3本仕立てとなります。
後々の発育状況で迷わないよう、一番果が膨らんだ時点で選択するのがポイントです。
この記事が読者の皆さんのナス栽培のお役に立てたら嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。