大玉トマトの育て方(4):赤くなる理由と摘心、収穫まで

家庭菜園

自宅の庭で育てている大きなトマトがなかなか赤くならないと悩んでいる方もいるかもしれませんが、ご安心ください。
この現象は珍しいものではなく、時間が経てばトマトは自然と赤く成熟します。

まずは、トマトが赤くなるメカニズムについてお話ししましょう。

トマトが赤くなる条件

トマトが赤くなるためには特定の温度が必要です。

具体的には、「積算温度」が重要とされています。
これは、トマトが実をつけてからの累積した最高気温の総和を意味します。

トマトが成熟するには、だいたい積算温度で1200度程度必要だとされています。

例えば、最高気温が30度の日が40日間続けばこの温度に到達しますが、20度の場合は60日かかることがあります。

トマトが育つ過程で、もし平均気温が高く順調に育っていたとしても、後に気温が急に下がって20度以下の日が続くと、トマトの色づきに遅れが生じることがあります。

逆に、気温が高すぎると、トマトが充分に大きくなる前に早く赤くなることもあります。

このように、トマトが熟するには気温が大きく影響しています。

なぜスーパーのトマトは緑のまま出荷されるのか

スーパーで売られているトマトが、実は緑の状態で出荷されていることをご存じですか?
店頭に並ぶときには、すでに赤く熟していますよね。

これには、以前説明した積算温度の概念が関係しています。

トマトは緑の状態で収穫され、その後の保管期間中に積算温度(約1200度)に達するよう計画されています。

運送中や倉庫でのダンボール箱内の保管中には、一定の温度が維持されるため、この期間に自然と積算温度が上昇し、赤く熟します。

逆に言うと、赤くなってから収穫されると、店頭に並ぶ頃には過熟してしまうことがあります。

では、トマトが赤く熟すためには日光は必要ないのでしょうか?この点について考えてみましょう。

日光の役割とトマトの赤い色への影響

一般的に、光は植物が光合成をするために必要です。

光合成は、葉の成長、花の開花、糖分の生成、トマトの育成に欠かせない過程です。

そのため、トマトの栽培には日光が必須ですが、実を赤く熟させる過程においてはそれほど重要ではありません。

ただし、日光は光合成を通じて糖分の生成を促し、甘いトマトを作るのに役立ちます。

トマトは日中の日光を浴びて光合成を行い、夜間にさまざまな過程を経て糖分を生成します。

完熟トマトが甘く感じられるのは、収穫を遅らせることで日光を十分に浴びる時間が増えるためです。

スーパーで見かけるトマトの多くが青い状態で出荷される理由をご説明しましたが、特売品などは光合成の時間が短いため、甘みが少ないことがあります。

一方、家庭菜園などでは、完熟間近まで収穫を待つことができるため、適切な天候があれば、長い光合成の時間により甘いトマトを楽しむことができます。

是非、ご自身でトマト栽培に挑戦し、新鮮な完熟トマトの味わいを体験してみてください。

大玉トマトの摘心の役割

自宅の庭で大玉トマトを育てる際、第五花房まで成長したら、それは大成功のサインです。

この時点で、トマトのさらなる茎の伸びを抑えるために摘心を実施します。

摘心は、新しく伸びる茎や葉を取り除き、植物の成長を制御する技術です。

この手法を用いることで、栄養がトマトの実へと効率よく行き渡り、良質な成長を促します。

摘心を行った後、数日してから再度確認し、もし新しい成長が見られる場合は、再び摘心を施してください。

摘心を終えたら、トマトの実を充実させるために追肥が必要です。
実を大きくするためには、適量の化成肥料を植物の周囲に施しましょう。

大玉トマトを収穫するタイミング

自宅でトマトを栽培する最大の楽しみは、完熟したトマトを味わうことであり、これが市場で販売されているトマトとの大きな違いです。

トマトが赤くなったとしても、それだけでは完熟したとは言えません。

実が自然に落ちる直前まで、つまり完全に赤くなるまで栽培を続けることが重要です。

自家栽培の完熟トマトは、他では得られない特別な味わいを提供します。

まとめ:大玉トマトの育て方

これまで4回に渡り、大玉トマトの育て方をご紹介してきました。
個人的にトマトが大好きなので熱が入っちゃいましたね。

トマトは必ずしも育てやすい野菜とは言えませんが、しっかり準備して手入れをしてあげると、それに応えてくれます。

そして、完熟トマトを毎日味わえるのは、家庭菜園ならではの魅力です。

ぜひ皆さんも家庭菜園でトマト栽培にチャレンジしてみて下さいね。

今回もお読みいただき、ありがとうございました。

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