大玉トマトの育て方(3):一番果の扱い方

家庭菜園

前回は大玉トマトの植え付けをして、仮の支柱を立てるところまでご説明しました。

トマトが順調に育つと、最初の仮支柱からしっかりした本支柱への変更が必要になります。

その後、最初に実る「一番果」が大きくなっていきます。
この一番果の扱い方は、その後のトマトの成長に大きく影響しますが、方法は様々です。

今回は、様々に存在する一番果の扱い方について考察したいと思います。

諸説あるトマトの一番果の扱い方

大玉トマトの初期実を育てる方法としてよく知られているのは、以下の4つです。
これらはネット上でもよく見かけられる情報です。

  1. 花が咲いたら取り除く方法
  2. 実が生ったら早めに収穫する方法
  3. 最初の花房を根本から切り取る方法
  4. 特に手を加えない

これらは大玉トマトの初期実の育て方として、色々な方法があることを示しています。

トマトを初めて育てる方には、これだけ多くの情報があると迷うかもしれません。

では、なぜこれほどまでに初期実の育て方に意見が分かれるのでしょうか?
それは、それぞれの方法に固有の背景や栽培の理論があり、目指す目標が異なるからです。

1.花が咲いたら取り除く方法

一つ目の方法として、トマトの最初に咲いた花を摘む手法があります。

この行動は、トマト植物にとって子孫を残すための強い刺激となります。

トマトは、最初の花で果実ができなかったことから、「もっと花を咲かせる必要がある」と感じるかもしれません。

これにより「より多くの花を咲かせる効果」が期待できます。

2.実が生ったら早めに収穫する方法

第2の方法として、果実が成った段階で早急に収穫する手法があります。

実がなると、果実形成に関わるホルモンが活性化されるため、すぐに果実を取り除くことで、植物に更なる子孫繁栄への刺激を与えます。

この方法は、「果実をつける習慣を植物に植え付ける」ことを狙っています。

良いところ取りのおすすめ方法

これらの方法はそれぞれに有効な点があり、間違っているわけではありません。

私自身、両方の方法に一定の効果があると信じています。

そのため、私がトマト栽培をする際には、これらの手法を組み合わせることにしています。

具体的には、最初の花房から最初の実が育ち始め、次の実も確認できた時点(花が散った頃)に、最初の実を収穫する方法です。
ポイントは、次に成る実が育ち始めていることを確認することです。
次の実が生りはじめたら、最初の実を収穫します。

3.最初の花房を根本から切り取る方法

別の方法として、トマトの最初の花房をすべて取り除くというものがあります。

この技法は、トマトの成長と生命力に密接に関連しています。

どんな植物でも、果実をつけるためには多くのエネルギーが必要とされ、茎や葉の成長に必要な力は果実をつけることで削がれます。

トマトが成長しようとする時期に、果実をつけさせず、花を摘むことで、植物の成長にエネルギーを一時的に集中させることができます。

この方法は、第二花房以降、特に第五や第六花房までの植物が充分に育つ可能性を高め、長期的なトマトの収穫を見込むことができます。
これは、収穫量を増加させたい時に効果的な方法です。

しかし、この手法はトマトの栽培に慣れた方々や、収穫時期を計画的に管理している環境での生産性を優先したい場合に適しており、セミプロのレベルの技術が必要であり、収穫時期が遅くなることや、管理期間が長くなるリスク、天候に左右される可能性も考慮する必要があります。

つまり、初心者や家庭菜園で取り上げる方法としては難易度が高いと思われます。

一方、家庭菜園では、第四や第五花房で実をつけることが望ましいとされています。収穫は一度に行うのではなく、時間をかけて楽しむことが好まれるため、家庭菜園で最初の花房を全て取り除く方法はそれほど適していないと言えます。

まとめ:一番果の扱い方

最終的に、家庭菜園におけるトマトの最初の実をどのように扱うのがベストなのでしょうか。

家庭菜園でのトマト栽培であれば、良いところ取りの方法、最初の花房から最初の実が育ち始め、次の実も確認できた時点(花が散った頃)に、最初の実を収穫する方法をお勧めします。

ただし、家庭菜園では、どんな選択も必ずしも正解とは限りません。

家庭菜園は自由に楽しむもので、誰かに強制されることはありません。
目指す目標や掛ける手間は人それぞれ異なります。
さまざまなアイディアを知り、それを活用して栽培することで、家庭菜園はもっと魅力的になるはずです。

最終的に大切なのは、自分自身に合ったトマトの栽培スタイルを見つけることです。

自分に適した、実行しやすい方法こそが最善です。この記事が皆さんの方法探しの一助となれば幸いです。

今回もお読みいただき、ありがとうございました。

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