ナスの育て方(2):支柱の役割と追肥、剪定の方法

家庭菜園

自家製のナス栽培においては、茎が他の野菜と比べて強固であるため、最初から支えを設けることは必ずしも必要ではありません。

ですが、強風の影響を受けやすい広々とした畑では、栽培開始時から支えを用意するのが賢明です。

一方で、住宅街の庭で育てる際は、2番目や3番目の実が成長し始めた時点で支えをつけると適切です。

ナスは支えがないと、枝が重みに耐えられずに折れたり、手に負えないほど乱れて伸びることがあります。

健康的な成長と豊かな収穫のために、支えの設置を推奨します。

広々としたスペースがナス栽培の鍵

ナスの栽培では、植物が成長するにつれて枝が多く分岐し、横に広がる傾向があります。

このため、左右の広さが思いのほか重要となります。

特にスペースが限られた家庭菜園では、ナスの枝が左右に伸びることに制限があるため、通常は2本のナスを植えることが推奨されます。

3本植えると、狭い場所では枝が互いに干渉し合い、日光の当たり具合や風の流れに悪影響を及ぼす可能性があります。

このような問題を回避するためには、植える本数を減らすか、適切な左右のスペースを取ることが大切です。

支柱の設置はルールに縛られず自由に

ナスの支柱設置には、厳密なルールは存在しません。

主に枝を支えるために使われるものなので、深く悩むことなく、ご自宅の庭のスペースに合わせた方法を選んでください。

支柱が1本だけでも充分にその機能を果たします。

スペースが限られている場合は、支柱を1本だけまっすぐに立て、植物が倒れないように固定することが効果的です。

1本仕立てを選んだ場合、新たに出てくるわき芽は定期的に摘み取り、主枝をまっすぐに伸ばしていくのが良いでしょう。

ナスの二本立て支柱の設置方法

ナスの二本立てでは、2本の支柱を使用し、それぞれを交差させてナスの枝が左右に広がるように配置します。

この方法は枝が交差するのを防ぐのに効果的です。

どの枝を伸ばすかは、以前のナスのわき芽取りや初めての収穫の状況を基に判断します。

支柱を設置する際には、根元から少し離れた場所に立てることが重要です。

マルチシートの外側に支柱を設置すると良く、X印を付けてから支柱を差し込むと作業が容易になります。

交差させた支柱は、八の字になるようにきちんと結びます。

ナスの三本立て支柱の設置方法

ナスの三本立ては、二本立ての中央部にもう一本、直立する支柱を追加します。

この設置方法では、斜めの支柱に大きな角度が必要になるため、広い栽培スペースが求められます。

この配置により、ナスの枝は十分に広がり、効果的に成長することが期待できます。

支柱なしでのナスの栽培とその問題点

支柱を使わずにナスを栽培すると、最初の7月までの成長は順調ですが、その後問題が生じることがあります。

実が育つにつれて重みで枝が曲がってしまいます。

地面に近い実は土と接触し見た目が悪くなり、高い位置の枝は重さに耐えられず折れるリスクがあります。

ナスの枝は堅いため、完全に折れることはまれですが、このような状態は成長に悪影響を及ぼします。

そのため、最終的には剪定が必要になることが多いです。

この問題を避けるためには、適切な支柱の設置と、不必要なわき芽の剪定が効果的です。

ナス栽培における定期的追肥の必要性

ナスは多量の肥料が必要な植物です。

初めて肥料を与えた後は、2週間ごとの化成肥料による追肥が推奨されます。

実が十分に育つと、収穫が始まります。

品種によって異なりますが、一般的には長さが13cmから15cm程度になった時に収穫します。

秋の収穫に向けたナスの剪定技術

ナス栽培の重要なプロセスに「更新剪定」があります。

これは、ナスを秋まで長期にわたって収穫可能にするために行われる作業です。

ナスに更新剪定が必要な理由

ナスは通常、7月中旬から8月上旬に最も収穫が盛んになります。

しかし、その時期が過ぎると、植物の活力が弱まり、花の咲き方や実のつきが悪くなってきます。

これにより、秋には収穫できるナスが減ってしまうため、収穫期間を延ばすために更新剪定が必要です。

この剪定を行うと一時的に収穫がストップしますが、8月に多くのナスを収穫したい場合は、この作業を省くこともできます。

ナスの更新剪定の具体的な手順

更新剪定は8月の初めから中旬にかけて行うのが最適です。

この作業の基本は、枝を適切に切り戻しながら、株をコンパクトにすることです。

厳しいルールはないので、難しく考える必要はありません。
まず、主枝を約1/3から半分程度切り落とし、株の高さを調節します。

次に、横に伸びている枝を剪定します。

新芽がある箇所で切断しても構いません。剪定する際は、少なくとも2枚の葉を残すようにしましょう。

ナスの根切り手法

剪定の後は根切りを行います。

根切りは、古くなった根を切り取り新しい根の成長を促進させる作業です。

株の周囲30~40cmの地点にシャベルを差し込み、根を切るように力を入れます。

地植えでは株の周囲を一周し、プランターでは左右両側で行います。

根切りが完了したら、暑い時期なのでマルチシートを取り除き、追肥をたっぷりと施しましょう。

おわりに

今回はナスの支柱の立て方・追肥・剪定までご紹介しました。

どれも大切な行程ですので、美味しくて見栄えの良いナスの収穫に繋げるために、しっかり行いましょう。

タイトルとURLをコピーしました