今回はにんにくの植え付け後の育て方と収穫方法をご紹介していきます。
植え付け以降の追肥には2種類あり、秋から冬にかけての追肥と初春の追肥に分けられます。
その後の収穫時期の簡単な見分け方や長期保存のための乾燥方法などもご紹介しますので、最後までお付き合い下さいね。
ニンニク栽培での適切な気温
ニンニクには、暖かい地域向けと寒い地域向けの品種があります。
前回ご紹介した「上海」という品種は、暖かい地域向けになります。
暖かい地域向けの品種は、生育に最適な温度が約15度から20度の範囲です。
暖かい地域用のニンニクが最も良く育つ温度は、だいたい15度前後で、これは10月から11月頃になります。
秋はニンニクが成長しやすい時期なので、この時期に追加の肥料を与えると健康的に育ちます。
ニンニクの秋と冬に行う肥料の施し方
ニンニクの周囲と根元に適量の化成肥料を散布します。
ニンニクには、11月に1度と球根が膨らみ始める3月頃に、合計2回の肥料が必要です。
11月に肥料を施した後は、しばらくはニンニクの世話を休むことになります。
これは比較的手間がかからない作物です。
しかし、ニンニクの成長には冬の寒さが重要で、十分な寒さがないと春に球根の成長が遅くなることがあります。
暖かい地域用の品種は通常の冬季を経過するだけで低温条件を満たすことができますが、寒い地域用の品種はもっと低温が必要です。特に暖冬の年は注意が必要です。
さらに、暖かい地域で寒い地域用の品種を栽培する場合は、低温環境を作り出すための工夫が求められます。
ニンニクの春の追肥タイミングと方法
3月はニンニクに最後の肥料を追加する重要な時期です。
秋から冬の間の肥料は冬期の成長を促すために施されてきましたが、春の追肥は収穫前の球根を大きくするために不可欠な栄養を提供します。
この追肥のタイミングが肝心であり、遅れが生じると、ニンニクが苦味を帯びることがあります。
温暖な地域で栽培する場合は、2月中に追肥を行うことも適切です。
追肥前に、ニンニクの根元にわき芽があれば、それを取り除くことが重要です。
これを怠ると球根の成長が阻害される可能性があります。
追肥の方法としては、化成肥料をマルチシートの外側と穴の周辺に均等に撒きます。
根が広範囲に伸びているため、肥料は一箇所に集中させずに広範囲に散布することが推奨されます。
この追肥を施した後、一週間以内にニンニクの成長が顕著に早まります。
これで収穫までの道のりはほんの少しです。害虫などの問題に注意しながら、成長を見守っていきましょう。
ニンニク収穫のベストタイミングと処理方法
ニンニクの収穫に適した時期と、収穫後に生で食べるか乾燥させて保存する方法について詳細に解説します。
収穫したニンニクは、「新鮮な生ニンニク」として食べるか、「乾燥ニンニク」として長期保存するかの2つの選択肢があります。
この記事では、それぞれの処理方法について説明しますので、参考にしてみてください。
ニンニク収穫期の特定方法
ニンニクの収穫期は品種によって異なるので注意が必要です。
この記事で取り上げる「上海」という早生種の場合、4月後半から5月中旬に収穫するのが最適です。
一方、通常の品種では6月中旬が収穫の目安になります。
収穫の適切なタイミングの見極め方
ニンニクの収穫タイミングは、主にその外観から判断します。
収穫の合図は、ニンニクの葉や茎が黄色く変わり始めたときです。
葉は徐々に緑から黄緑に変色し、やがて枯れて黄色くなります。
この段階になると、根元の葉は通常乾いて枯れている状態です。
ニンニク収穫とその後の乾燥方法
ここでは、ニンニクを収穫する手順とその後の乾燥処理について説明します。
まず、乾燥工程を考慮して、収穫は晴れた日に行うのが理想的です。
特に、長期保存を考えている場合は、晴天の日を選ぶことが重要です。
収穫自体はさほど難しくありません。
最初にマルチングシートを取り除いた後、根元を固く握って、力強く引き抜きます。
ニンニクは根が強いため、少しの力が必要です。
万が一抜けない場合は、周囲の土を掘り起こしてから根ごと引き抜くと良いでしょう。
ニンニクの効果的な乾燥方法
収穫したニンニクは、1日から2日間は天日干しにしておくことが推奨されます。
この時、土がついたままでも構いません。
2日が経過すると、茎や葉に残った栄養が球根に吸収されています。
次に、根を切り取り、茎を適度に短くして、風通しの良い場所で吊るして乾燥させます。
乾燥にはさまざまな方法がありますが、家庭で手軽に行える方法として、洗濯ピンチを用いる方法があります。
日当たりが良く風通しの良い物干し竿に、ニンニクの茎をピンチで挟んで吊るすのが効果的です。
これにより、ニンニク同士が触れ合わずに均等に乾燥させることができます。
また、料理で使用したい場合は、乾燥中でも必要な分だけ取り出して使うことができます。
ニンニクの適切な乾燥期間
ニンニクを乾燥させる適切な期間は、その地域の気候や当時の天候によって変わりますが、大体20日間で市販されている乾燥ニンニクと似た状態になることが多いです。
ただ、状況に応じてもう少し長く乾燥させることもあり、1ヶ月程度が目安です。
収穫したての生ニンニクの楽しみ方と注意事項
収穫したばかりのニンニクを生で楽しむこともできます。
生ニンニクは乾燥ニンニクと同じように料理に使用でき、油で揚げたり、すりおろして使ったりすると美味しいですが、その香りは乾燥ニンニクとは全く異なります。
自家製ニンニクの豊かな香りをぜひ楽しんでみてください。
ただし、生ニンニクにはアリシンという強力な殺菌作用を持つ成分が含まれています。
この成分はかなり刺激が強いため、消化器が敏感な方は摂取に注意が必要です。
まとめ:にんにく発芽後の育て方から収穫まで
種を植えてから約9ヶ月間のニンニク栽培、いかがでしたか?
栽培期間は長いですが、途中で収穫できる芽や蕾を楽しむこともあり、収穫後は乾燥させて長期間保存が可能です。
ニンニクは「必要な時にすぐに使える」ことが最大の魅力です。
ぜひ、ニンニク栽培にチャレンジして、その便利さを体験してみてください。