さつまいもの苗作りは、3月中旬に始まります。
まず、以前お伝えした種いもから新芽を出します。
続いて、4月には発泡スチロールのトレイを使用して苗を育て、5月中旬には苗が収穫できる状態になります。
さつまいもの収穫適期は、涼しくなる10月頃ですが、寒さに弱いため、11月に入る前に収穫を完了することが大切です。
さつまいも苗の作り方
種いもを発泡スチロールの容器に植えると、約1ヶ月でツルが成長し、10枚程度の葉をつけ、20㎝から30㎝の高さになります。
この時期が、さつまいもの植え付け用の苗を採取する最適なタイミングです。
採取はとても簡単で、土の近くでツルをカットするだけです。
ツルを切り取ったら、半日から1日ほど水に浸けて切り口から水分を吸収させます。
この間、苗は直射日光の当たらない日陰に置いておきましょう。
これでさつまいもの苗の採取は完了です。
サツマイモ苗の適切な植え方
サツマイモの苗は、土や水に接すると、わき芽の近くから根が生え始めます。
日陰での保管でも根は育ちますが、通常はまだ根が生えていない苗を選んで土中で根を育成する方が望ましいです。
サツマイモの苗は水につけるだけで根が伸びることがあるため、1日以上の水漬けは避けましょう。
苗の下部にある不要な葉は、数枚取り除いても大丈夫です。
サツマイモ栽培のための土の準備
次に、サツマイモの苗を植えるための土作りについて説明します。
最初に、肥料や元肥を含まない土を選び、よく耕しましょう。
前年に肥料を施した土地であっても、新たに肥料を加えていなければ使用できます。
肥料分が多い土では、葉や茎のみが過剰に成長する「ツルボケ」という現象が起こる可能性があります。
ツルボケは、外見上は順調に成長しているように見えますが、サツマイモ自体の成長が妨げられることになります。
サツマイモは貧弱な土壌と乾燥した環境を好むので、この点を念頭に置いておきましょう。
土壌のpHはやや酸性が好ましく、pH5が理想ですが、酸性雨の影響を考慮するとpH5.5が適している場合もあります。
サツマイモ苗の植え込み方
最後に、サツマイモの苗の植え込み方法をご紹介します。
植える場所に溝を掘り、サツマイモの苗を斜めに立てて植え、その上から土をかけます。
この方法が一般的です。
植える際は、苗の上部に3〜4枚の葉が地表から出るように深さを調整してください。
苗は十分に水を吸収していますが、根が未発達なので、水分の吸収力が弱い状態です。
植えた後は、毎日しっかり水やりをしましょう。
サツマイモは植える深さによって太さや形が変わりますが、浅く植えたサツマイモは甘みが増し、美味しくなります。
収穫量と甘さのバランスには個人の好みがあるでしょうが、一般的には深く植え過ぎないことが推奨されます。
まとめ:さつまいもの苗の植え方
今回は前回ご紹介した種芋を使って苗を作り、その植え方までをご説明しました。
ポイントは土のpH(ペーハー)を、やや酸性よりとなる「5」に近くなるよう調整することと、肥料や原肥を入れない「痩せた土」で育てるということです。
大抵の野菜は肥料を与えた「肥えた土」で育てるイメージが強いので、この点は注意が必要です。
また、さつまいもはとても生命力の強い作物なので、伸びたつるを放置しておくと望まない成長を起こして、肝心の芋が育たないという弊害が出てきます。
そのために「つる返し」という方法を行うのですが、それは次回にご紹介したいと思います。
今回もお読みいただき、ありがとうございました。