この記事では、キュウリを育てる際の基本手順について、とりわけ土の準備と苗の植え方に重点を置いて説明しています。
自宅で種から育てた苗にも、店で購入した苗にも役立つ情報を提供しています。
さらに、うどんこ病を予防するための効果的な植え方のテクニックもご紹介します。
キュウリの栽培準備:土づくりのポイント
苗を植える前の注意点
このセクションでは、キュウリを栽培する上で必要な土質の準備について解説します。
キュウリは、根が浅く広がるタイプの野菜であり、十分な酸素が必要とされます。
このため、植え付け前の一週間は、たとえ冬に耕していても、再度土を耕して空気を充分に含ませることが大切です。
土の酸度(pH)の確認
土が柔らかくなったら、次は土の酸度(pH)を測定することが重要です。
野菜栽培においてこの工程は必須です。
キュウリにとって理想的な土の酸度は、弱酸性から中性の範囲です。
肥料を加えると酸性に傾くことが多いので、初めは中性を目指して調整するのが好ましいです。
土が酸性の場合は消石灰を、アルカリ性の場合はピートモスを用いて調整しましょう。
肥料の適切な撒き方
酸度調整が完了したら、肥料を施します。
キュウリは根が浅く広がる傾向があるため、肥料はやや深めに施すと根が深く伸びやすくなります。
20cmから30cmの深さに穴を掘り、化成肥料とリン酸肥料(バッドグアノ)をまきます。
バッドグアノはゆっくり土に溶け出す肥料で、長期間効果を発揮しますが、根からの吸収率が低いため、追肥には不適です。
土作りの段階でしっかりと混入させることが大切です。
マルチシートを敷く
肥料の散布と土の調整が完了したら、次はマルチシートを敷く作業に進みます。
通常、マルチシートは地温維持や雑草防止のために使用されますが、キュウリ栽培では「土の柔軟性を保つ」ために特に重要です。
これにより、土の中の酸素量を維持し、キュウリの健康な成長を促進します。
マルチシートの重要性とは?
土が水を吸収すると、元々あった酸素の空間が水で満たされ、その後乾燥する過程で土が締まっていきます。
この結果、土の中の空気層が減少し、徐々に土が硬くなるのです。
マルチシートは、この土の硬化を防ぐために非常に役立ちます。
マルチシートを敷いたら、苗を植えるために40cmから50cmの間隔で穴を開けることが必要です。
キュウリの植え方:うどんこ病予防のコツ
土を整えた後は、キュウリ苗の植え付けに進みましょう。
このセクションでは、うどんこ病を防ぐための特別な植え方をご紹介します。
キュウリの植え付けのコツ
マルチシートを使った土に苗を植える際の重要なポイントは、ポットから抜いた土の一部が2~3cm外に露出するように植えることです。
この方法は、うどんこ病の発生を減らすとされています。
植え付ける際は、土が崩れないようにしっかりと水を与えた後に苗を抜きましょう。
科学的根拠ははっきりしませんが、キュウリが豊富な酸素を必要とすることと関連があるかもしれません。
簡単ですので、是非お試しください。
防虫ネットの活用
苗を植えたら、温かくなる季節に向けて防虫ネットの設置が重要です。
株が成長するとネットを外す必要がありますが、苗が小さい間のダメージは成長や収穫に影響を与えることがあります。
特に植え付け後のこの時期には、手間を惜しまず丁寧に育てることで栽培の失敗を減らすことができます。
植え付け後の水やりのポイント
植え付け直後にはたっぷりと水を与えることが推奨されますが、その後は水やりを控えめにしてください。
植え付けから2日経っても苗がわずかにしおれていても、水やりを控えることが重要です。
水を与えすぎると、キュウリが水分を浅い位置で見つけると認識し、根の成長が妨げられます。
キュウリは水分を追い求めて根を深く伸ばすことで健康的に育ちます。
水やりを1週間我慢し、その後葉や茎が成長していれば、根が適切に伸びている証拠です。
その後、土が乾いたら適宜水やりをしてください。
まとめ:キュウリ/良い土の作り方と苗の植え付け方法
キュウリに限らない事ですが、土作りの段階から酸度を計った上でどんな肥料をどの程度撒くか決め、マルチシートや防虫ネットを使うなどの手間をかけると、後々の野菜の育ちが良くなります。
手間暇かけた野菜なら、立派に育ってくれた方が嬉しいものですし、その結果実った野菜が美味しければ喜びも一塩です。
読者の皆さんも、ぜひ一手間をかけて美味しい野菜を作ってみて下さいね。